京都市中京区の内科・循環器科・糖尿病内科 医療法人 鳥居内科
近年、糖尿病患者数は増加の一途をたどり、2017年の推計では全国で約1,000万人の有病者が、さらに将来的に糖尿病になる可能性がある予備軍は約1,000万人に達するとされています。
糖尿病は、膵臓から分泌されている血糖値を下げる唯一のホルモン、インスリンの作用不足により、血糖値が適正な範囲を超えて上昇してしまう病気です。遺伝因子と環境因子を背景に、膵臓のインスリン分泌能低下と、体への効きが悪くなるインスリン抵抗性増大の二つが原因となって発症します。
長期間にわたって血糖値の高い状態が続くと、細小血管障害である網膜症、腎症、神経障害の三大合併症や、大血管障害である脳梗塞、狭心症・心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症など、全身のあらゆるところに合併症が起こります。
糖尿病の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法によって適切に血糖値をコントロールし、これら合併症の発症予防、また進行抑制をすることです。生活の質を向上し、幸せな人生にすることが最大の目的です。
血糖値は食事時間や食事内容、体調などによって容易に上下します。そのため、血糖値のみでは血糖コントロールの指標としては不十分で、先行する約2ヶ月間の平均血糖値を反映するヘモグロビンA1cが重要な指標となります。糖尿病の診療において血糖値と並んで最も重要な検査のため、誤差のない正確な結果が求められます。当院のヘモグロビンA1c測定はアダムスハイブリッドAH-8280(アークレイ社製)で実施しており、これは日本糖尿病学会の基準に準じた高速液体クロマトグラフィー法で検査するもので、大学病院や大病院と同じ高精度の結果が得られます。約5分で結果が出るので、検査実施当日に治療方針の見直しが可能です。
画一的な、また継続実践が困難な食事指導ではなく、個々の性格や生活環境に応じて、長期的に実践可能な食療療法を助言しています。
血糖コントロールや糖尿病合併症の状態、その他の病気の有無によって、運動療法の可否、運動の時間や頻度、運動の種類は異なります。個々の病状に合った運動療法を助言しています。
個々の病態に応じてインスリン分泌能低下とインスリン抵抗性増大をいかに改善していくか、長期間にわたって良好な血糖コントロールを維持するために体へどのように働きかけるべきかをよく考え、お一人お一人に最適な薬を選択するよう心掛けています。また新しい糖尿病治療、インクレチンに関連した薬も積極的に選択しております。